薬剤師国家試験 既出問題集

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久保俊治『羆撃ち』 

2022, 02. 25 (Fri) 00:00

狩猟関係の本を探していて見つけたのが久保俊治『羆撃ち』。
専業のヒグマ猟師だった著者は、単行本が発売された2009年時点で66歳。その15年前から大学ノートに若い頃の思い出を書き溜めてきたという。最初に読んだ時は歯切れよく若々しさを感じた文体なので、もっと若い人が書いているのだと思ったけど、著者が1947年生まれなのに驚いた。

羆撃ち (小学館文庫) 羆撃ち (小学館文庫)
(2012/2/3)
久保 俊治 (著)


久保俊治(羆撃ち)がプロフェッショナルに!経歴とヒグマ猟師になった理由は?[440’s Exchange Hack]

文体は簡潔明瞭。狩猟の様子の描写は文章が短く、現在形を多用しているので、緊迫感と臨場感に満ちて、まるでその現場を読み手が目撃しているような感覚。

年齢的には、興味を持ち始めた子供の頃に始まって、大学入学後に一人で始めた狩猟専業の生活から、子犬から育てた猟犬フチとの狩猟生活、その後米国留学して狩猟技術を学んでガイドハンターとして活動、帰国後のフチに加えて新たにもらい受けたメス犬フクとの狩猟生活、最後はフチが次にフクが相次いで病気で亡くなり、また一人で狩猟するようになったこと。

フチが亡くなってから、フクの事が全然書かれておらず、狩猟に一人で行っていたという。もともとフクを譲り受ける時から、フチほどの信頼感をフクには持てないと感じているのが文章からわかるし、フクがフチを襲ってケガをさせたことが原因でフチが病気になったのかもしれないという心のわだかまりが拭いきれなかったように思える。

一人で狩猟していた時代は狩猟風景にも殺伐とした凄みを感じた、
生まれて間もないアイヌ犬の子犬フチを譲り受けて猟犬として育てていく時期になると、フチと猟師の関係の描写が増えて、彼らの間に流れる信頼感や愛情の温かさが感じられて殺伐感が消え、文章にも内容にも膨らみが出てきた。

狩猟に関する著者の信条に関して、印象に残っている文章について。
 「自然の中で生きた者は、すべて死をもって、生きていたときの価値と意味を発揮できるのではないだろうか。キツネ、テン、ネズミに食われ、鳥についばまれ、毛までも寝穴や巣の材料にされる。ハエがたかり、ウジが湧き、他の蒸にも食われ尽くし、腐って融けて土に返る。木に養分として吸われ、林となり森となる。森はまた、他の生き物を育てていく。誰も見ていないところで死ぬことで、生きていた価値と意味を発揮していく。」
 では、この羆のように、自然のサイクルを外れて、獲物となって倒れたものの生きてきた価値と意味はどうなるのか。だから私は斃し方に心がけ、、解体に気を配る。肉となって誰に食べられても、これは旨いと言ってもらえ、自分で食べても最高の肉だと常に思える獲り方を心がけ実行しなければならない。斃された獲物が、生きてきた価値と意味を充分以上に発揮するように、すべてを自分の内に取り入れてやる。私の生きる糧とするのだ。」
 山での姿も、撃たれて斃れていった姿の細部までも目の奥に焼き付け、決して忘れないで覚えていこう。それが猟で生活しようと決心した者の、獲物の命に対する責任の取り方だろう。」

羆の母と仔2頭を銃で倒した時のこと。
 「嗅覚も聴覚も体力も、到底お前たちには及ばない。その及ばないことを補うために、銃を使わせてもらうが、自然の中でも対等の同じ命であると思っている。俺が負けたときは、誰も山で見つけ出してくれないだろう。そのときは、自然の一部となり土に還る。その覚悟はできているつもりだ。」

牧場経営を始めてから、忙しくてシカ猟に行けなくなった頃、罠でキツネを獲ろうと罠猟を始めた。シカ猟に入った山中のキツネは、警戒心が強く、罠にかけるのも至難の業だった。しかし、酪農地帯のキツネは、人家の周りで簡単にエサ(死んだ仔牛や流産で出る胎盤など)が手に入り、警戒心を失っているため、毎晩必ず罠にかかっている。
 「猟以外でどうにか暮らせるようになったのためなのだろうか。寒いテントに比べ、はるかに温かい家の中にいて、罠を一晩中働かせることに何か後ろめたさのようなものを感じる。そして野生を失った動物を見るのは淋しく感じる。
 罠でとることは、すぐにやめてしまった。」


<米国の狩猟事情>
プロハンターの本場アメリカで武者修行するため、1975年4月に渡米しモンタナ州にあるプロハンター養成学校「アウトフィッターズ・アンド・ガイズ・スクール」に初の日本人学生として入学。卒業後はハンティングガイドの仕事に就く。
スクールの授業や実地訓練の様子、校長や学生仲間との交流、ハンティングガイドの仕事と米国の狩猟事情などが書かれていた。(全然知らない世界の話だったので勉強になった。)

米国では、狩猟するのは権利の一つ。著者のように狩猟で生活している人を「マウンテンマン」と尊称で呼ぶが、1960年代までは存在していたらしい。著者自身は現地で「マウンテンマン」会ったことはなかった。
クロスボウなどの弓矢を使う人が結構多いが、銃ではなくて「弓矢」で仕留めるということに価値を見出している。
弓矢でピューマを仕留めるシーンが描写されているが、木に登っているところを弓矢で串刺しにされて磔みたいになり、力尽くて矢からずり落ちて死んだ様子の描写を読むと、銃で死ぬよりも無残な姿のようにも思えた。
※調べたところ、日本では弓矢を使った狩猟は禁止されている。弓矢は銃よりも殺傷力が弱く、射程距離も短いことから、人間にとって危険性が増し、さらに手負いの動物が増えるだけなので、確実に仕留められる可能性の高い銃の方が動物にとっても人間にとってもマシとということらしい。

ハンターが獲物を仕留めやすいように導くのがガイドの仕事。仕留めた動物の解体は、ハンターではなくガイドの仕事。トロフィーとなる頭部は剥製屋に渡し、肉は精肉業者に渡して冷凍されて、ハンターが受け取る。極端なハンターは、自分では何もせずに、ガイドにお任せで獲物をとってもくるよう指示する人もいる。ハンターはトロフィーが目的で、肉は食べない人も多い。
(肉を食べ皮を利用するのが目的で狩猟している狩猟民族とは違い、トロフィーを得ることが目的のスポーツハンターの狩猟はレジャーみたいなものなんだろう。)

狩猟に関しては、いろいろ規制がある。猟期は9月中旬~12月中旬。獲られた獲物がある頭数に達すると、その猟区は終猟日前でも禁猟となる。猟区により、あらかじめ獲ってもいい頭数を割り出す。一頭につきハンター一人。頭数分のタッグが発行され、タッグの発行数と同じ人数しか猟区に入れない。ハンターが申請後タッグが付与されるが、そのタッグをつけないと、獲った獲物の肉の処理ができない。
狩猟中のトランシーバー使用は禁止、獲物によっては猟犬の禁止。仲間と連絡を獲物を追うことができないように、安易な捕獲から動物を守るためと、狩猟とは本来不便を楽しむものであるとの考え方から来ているらしい。国有林の中ではエンジン付きのものは使用禁止。(薪をつくるためのチェーンソーも使用禁止)

日本では、銃砲刀剣類や火薬の取り締まりに関する法律は厳しいが、トランシーバー、スノーモービルの使用はゆるやかだという。
日本の狩猟事例を探すと、著者のように一人で狩猟する人もいる一方で、複数のハンターがグループを組んで、トランシーバーでやり取りしながら、獲物を追い詰めている場合もある。
著者が日本で狩猟する時は、グループ狩猟は性に合わないから、狩猟中にトランシーバーや携帯電話を使う必要がない。(害獣駆除として羆退治を依頼された時はグループで狩猟するときもある。)


『プロフェッショナル 仕事の流儀』で2017年4月17日NHK総合で放映された久保さんのドキュメンタリー。当時70歳くらいだから、本を読んで想像していたよりもずっとお年で、またびっくり。でも、少し見ただけでも、この人は凄い!を思わせるようなストイックな威厳とオーラが放たれているし、映像をずっと見ているとなおさらそう思う。
プロフェッショナル 仕事の流儀 猟師・久保俊治の仕事 独り、山の王者に挑む [DVD] プロフェッショナル 仕事の流儀 猟師・久保俊治の仕事 独り、山の王者に挑む [DVD]
(2017/10/27)
久保俊治 (出演)



ヒグマ猟師 久保俊治


フランク・ペーター・ツィンマーマン ~ チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲 

2022, 02. 18 (Fri) 00:00

商品の状態やや傷や汚れあり
配送料の負担送料込み(出品者負担)
配送の方法らくらくメルカリ便
発送元の地域滋賀県
発送までの日数2~3日で発送

第100回 薬剤師国家試験 既出問題集です。 表面は使用感ありますが、中を簡単に見ましたが綺麗な状態です。

ツィンマーマンのバッハを聴いたせいで、ツィンマーマンのCDをさらに買いたくなったので、試聴だけで終わっていたベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全集をNMLでまた聴いた。以前の印象と同じく、ヘルムヒェンのピアノが私の好みと全然合わなかった。フォルテの打鍵が強すぎてアタック音が騒々しくて、ヴァイオリンの音を聴く邪魔になる。今回聴き直してもやっぱりピアノがどうにも好きになれない。結局、買ったのはチャイコフスキーとブラームスのヴァイオリン協奏曲のCD2枚。

↓のライブ映像が面白かったチャイオフスキーのヴァイオリン協奏曲。伴奏はロリン・マゼール指揮バイエルン放送交響楽団。1993年プリンツレーゲンテン劇場の演奏らしい。(DVDが発売されている)
ピアノと違ってヴァイオリンは自分で全然弾けないので、難易度高そうなパッセージの弾き方を見るだけでも面白い。左手の運指とツィンマーマンの表情の変化(目がパッチリでニカっと笑ってたりする)を見るのが面白かったおかげで、苦手のチャイコフスキーなのに最後まで楽しく聴けた(観れた)。

Tchaikovsky violín Concerto in D Major Op. 35 Frank Peter Zimmermann.


ツィンマーマンのチャイコフスキー録音(CD)は2種類。買ったのは2001年再録音の方。伴奏はホーネック指揮オスロ・フィル。
試聴ファイルは聴かなかったけど、録音時間から判断すると旧録音よりもテンポが速いし、38歳くらいの演奏なので旧盤よりも私の好みに合いそうだった。
CDで聴くと、期待通り音質が良くてヴァイオリンがかなり前面から明瞭に聴こえるし、旧盤やDVDとは違ってヴァイオリンは「レディ・インチクイン」で、音色がまろやか。さらに、ツィンマーマンのヴァイオリンは、チャイコフスキー独特のベタっとした粘着的な響きや情感を感じさせず、明朗で伸びやかで明るい響きが爽やか。オケの響きもすっきり透明感があるので、音色と歌い回しが私の好みにぴったり合っていた。この曲自体が凄く聴くというわけではなくても、細かな旋律の動きを耳で聴くのも面白い。

チャイコフスキー、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲チャイコフスキー、ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲
(2007/9/19)
ツィンマーマン, ホーネック, ベルグルント, オスロ・フィル, ロイヤル・フィル

試聴ファイルなし



旧盤はマゼール指揮ベルリン・フィル(1987年録音)。カップリングはプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番(別盤のCD持っている)
録音年が古すぎるのと(30歳以降の演奏を聴きたい)、第1楽章のテンポが遅すぎるので、CD買わなかった。
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
(2005/10/26)
ツィンマーマン, マゼール, ベルリン・フィル

試聴ファイルなし


ヴァイオリン協奏曲で一番好きなのは、シベリウスとブラームス。ヴァイオリン協奏曲の技巧的な難易度を調べてみたら、↓の作品解説によれば、(個人的感覚から言うと)シベリウスは本当に難しくて、「メンデルスゾーン、ブルッフの8倍、チャイコフスキーの5倍ぐらい、ブラームス、パガニーニ、バルトークよりも更に難しい」という実感だそう。そういえば、ツィンマーマンはシベリウスを「難しいパッセージが多くてタイトロープ(綱渡り)のようだ」と言っていたのを思い出した。
シベリウス バイオリン協奏曲 ニ短調 作品47[新交響楽団 前田知加子(ヴァイオリン)]

タグ:チャイコフスキーツィンマーマン

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ジム・ブランデンバーグ『白いオオカミ-北極の伝説に生きる』 

2022, 02. 12 (Sat) 14:00

オオカミ写真集を探していて見つけたのは、オオカミを撮り続けている写真家として有名なジム・ブランデンバーグの写真集。代表作は野生の森林オオカミの写真集『ブラザー・ウルフ―われらが兄弟、オオカミ』。その数年前に撮影した『白いオオカミ 北極の伝説に生きる』は、北極圏にあるカナダ最北部エルズミア島に生息している野生の北極オオカミの写真集。

私が好きなのは、『白いオオカミ 北極の伝説に生きる』の方。元々極地関係のノンフィクションが好きなのに加えて、『ブラザー・ウルフ』よりも印象に残る写真がかなり多かった。
人間の住んでいない雪と氷で真っ白な世界と白い毛皮のオオカミたちの姿がどちらも美しい。人間に絶滅寸前に追い込まれ今も駆除される危険があるため人間を警戒する森林オオカミと違って、人間と接触することがほとんどないエルズミア島の北極オオカミたちは人間を恐れない。そもそも森よりも隠れる場所が少ないこともあり、オオカミたちの行動が観察しやすく、いろいろな写真からオオカミの生態(ヒエラルキー、狩り、食事、遊び、子育て、など)が垣間見れる。
オオカミたちの写真に加えて、ブランデンバーグの文章が上手く、臨場感とストーリー性のある撮影日記が面白い。

白いオオカミ―北極の伝説に生きる白いオオカミ―北極の伝説に生きる
(1992/12/1)
Jim Brandenberg (原著), 太地 実 (翻訳), ジム ブランデンバーグ


極寒の原野でホッキョクオオカミと対峙した[National Geographic]
エルズミア島は完全な無人島ではない。島の西岸にある測候所「ユーレカ」にはスタッフが常駐、一番近い集落は約400キロ南のグリス・フィヨルドで人口100人強。オオカミたちが日常的に人間と接触することもなく、オオカミに襲われる家畜もいない土地なので、人間と敵対することも、駆除されることもない。

とりわけ面白いと思った構図の写真が2点。一つはカバー写真に使われている北極海の浮氷をぴょんと跳んで渡ろうとしている狼。(この写真を見てすぐに連想したのは、アンリ・カルティエ=ブレッソンの有名な写真《サン=ラザール駅裏》-水たまりの上を飛び跳ねる男。)
もう一つは、日陰になっている氷山の中に座るオオカミのリーダー(名付けた名前は”バスター”)を陽光が照らしている写真。両方とも一度観たら忘れられない写真。

エルズミア島のオオカミたちは人間を恐れて姿を隠すこともせず、逆に好奇心を抱いて密かに観察していたことを物語るエピソードも面白い。
ブランデンバーグと同行の生物学者がキャンプを離れている間に、オオカミたちがキャンプを襲って食料はほとんど食べ尽くし、寝袋などは噛み切って穴だらけ、装備はあたりに散乱と、かなり派手に荒らしていた。
また、撮影期間満了で島を去るため、キャンプから10km離れた飛行機発着地点に四駆で到着すると、子供たちを連れたオオカミたちが遠巻きに彼らを見ていた。人間がキャンプを離れるのを見たオオカミたちが、ジープを追跡して10kmも走り続けたに違いない。獲物を追うのに慣れているオオカミにとっては、ジープと同じ速度で10kmを走るくらいは大したことではないらしい。


北極オオカミを撮影した時の記録映像。
The Mysterious White Wolf


The White Wolf Story


動画には写真集に載っているシーンがたくさん映っている。写真集を持っていなくても、この映像があれば十分楽しめる。ジャコウウシの群れを襲って子牛を仕留めるところは、写真集でも何枚か載っていたけど、映像で見ると臨場感で迫力満点。
写真集の良いところは、捉えた瞬間のシーンが映像よりも大きく映っているし、映像では見られない写真も多々あり、さらにオオカミたちの生活の様子を解説したブランデンバークの文章が読めること。

最後の方で映っている子オオカミの映像は、母オオカミのマムが見守るなかをブランデンバーグが巣穴奥深くに入って撮影したもの。マムは唸ることもせず、じっと様子を見ている。それまでのブランデンバーグの行動を観察した経験から、彼が危険な存在ではないと見なしているようだ。

これもエルズミア島の北極オオカミのドキュメンタリー。新しい映像なので画質が鮮明で色合いも鮮やか。野生のオオカミの寿命は、5~6年、長くても10年くらいらしいので、数年前に撮影・製作された(©2018)この映像のオオカミたちは、ブランデンバーグが観察していたオオカミたちとは違うけど、彼らの子孫だと思う。
Canada's White Wolves: Ghosts Of The Arctic | 4K Wildlife Documentary | Real Wild


『ブラザー・ウルフ―われらが兄弟、オオカミ』は、北極オオカミの撮影から数年後、カナダにある自宅周辺の森林オオカミを撮影した写真集。
ブラザー・ウルフ―われらが兄弟、オオカミ
(1995/4/1)
ジム・ブランデンバーグ (著, 写真), Jim Brandenburg (原著), 中村 健 (翻訳), 大沢 郁枝 (翻訳)


北極オオカミと違って、人間を警戒する野生の森林オオカミの撮影は難しいという。
この写真集は図書館で借りて内容を確認したけど、文章量が多く写真が若干少なく感じたのと、オオカミ以外の動物と自然の風景写真が多かったので、私の好みとは違っていた。文章の内容も、撮影した森林オオカミの生態や行動の話よりも、オオカミ一般の話(犬との繋がり、進化、神話・伝説、人間との関係など)が多い。
ほぼ観察・撮影記録の『白いオオカミ』と違い、『ブラザー・ウルフ』の森林オオカミは、人間を警戒しているためその生態を詳細に観察するのは難しいようなので、撮影ルポは少ない。そのなかではワタリガラスの話はちょっと面白い。オオカミの食べ残しを食べたいためか、オオカミに獲物の場所を知らせるように鳴いている。

『オオカミと野生のイヌ』には、『白いオオカミ』の有名な写真数点が掲載されている。カバー写真は、たぶん『ブラザー・ウルフ』に載っていたと思う。最初はこちらを買おうかと思っていたけど、ブランデンバーグの写真が小さくて多くはないし、内容もオオカミより野生のイヌに関するページがはるかに多いのでパス。

薬剤師国家試験 既出問題集

2022, 02. 06 (Sun) 20:00

ポール・ルイスの新譜『ブラームス/後期ピアノ作品集』は折り重なる響きのタペストリーが変幻自在で、聴けば聴くほど素晴らしい。ルイスらしい柔らかな響きと淡い情感のなかに、繊細なニュアンスが漂い、霞のように深くもやもやした響きに包まれるような感覚が独特。大好きなブラームスがまた一つ増えたのが嬉しい。

Brahms: Late Piano Works, Opp. 116-119Brahms: Late Piano Works, Opp. 116-119
(2022/1/21)
Lewis, Paul

試聴ファイル
※ハイドンはスリーブケース入りのプラケースだったけど、シューベルトやブラームスはデジパック。

収録曲は《幻想曲集 Op.116》、《3つの間奏曲 Op.117》、《6つの小品 Op.118》、《4つの小品 Op.119》。
全体的に緩めのテンポで(特に緩徐系の曲。演奏時間は合計77分)、フォルテの力感は少し抑え気味でも、線のしっかりした音なので重みと安定感があって、綺麗なタッチと響きのフォルテ。粘りがないタッチで響きもまろやかで丸みがあり、響きも軽く柔らかで残響が厚く重なり合っても(急速系で重音が多い曲でも)、重たさも混濁感も全然感じない。
ルバートは控えめでリズムも(ハフに比べると)若干緩め。フレージングは滑らかで起伏の変化もスムーズ。陰翳は薄めで繊細ながらもベタつきのない情感が心地よい。
たぶんテルデック・スタジオ(ベルリン)の残響自体はそれほど多くなく(減衰が速く感じる)、小刻みにできるだけ長くペダルを入れて残響を長く厚くし、巧みなペダルワークで残響の厚みと長さを自在にコントロールしているような感じ。霞のように深く立ち込めた残響でも全然混濁感を感じさせず、多彩な響きの重なりをスムースに変化させるところが、本当に上手いと思う。


テンポの速く音の密度が高い曲では、波が打ち寄せては引いていくように、厚い響きの重なりがすっと消えてはまた現れるような感じ。
7 Fantasies, Op. 116: No. 3, Capriccio in G Minor. Allegro passionato


7 Fantasies, Op. 116: No. 7, Capriccio in D Minor. Allegro agitato



緩徐系の曲はルイスの優しく語りかけるような柔らかい弱音が良く映える。
3 intermezzi, Op. 117: No. 1, Intermezzo in E-Flat Major. Andante moderato


3 intermezzi, Op. 117: No. 2, Intermezzo in B-Flat Minor. Andante non troppo e con molto...


6 Pieces, Op. 118: No. 2, Intermezzo in A Major. Andante teneramente


6 Pieces, Op. 118: No. 5, Romanze in F Major. Andante



このアルバムの中では一番陰鬱で曖昧模糊とした曲。ルイスのピアノなら響きが一層幻想的でミステリアスに聴こえる。
6 Pieces, Op. 118: No. 6, Intermezzo in E-Flat Minor. Andante, largo e mesto



この曲はもともと陰鬱で寂寥感が濃いと思うけど、ルイスのピアノはそれほど鬱々と暗くもなく、澄んだ水のような潤いと透明感があって、この弾き方はとても好き。(一番好きな演奏は速いテンポで起伏が大きく動きのあるカッチェン
4 Pieces, Op. 119: No. 1, Intermezzo in B Minor. Adagio


タグ:ブラームスルイス

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『Der Wolf: Wild und faszinierend』 

2022, 01. 31 (Mon) 00:00

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表紙のオオカミの姿に魅せられて衝動買いしてしまったドイツ語版オオカミ写真集『Der Wolf: Wild und faszinierend』。

Der Wolf: Wild und faszinierend ハードカバーDer Wolf: Wild und faszinierend ハードカバー
(2017/8/1)
Shaun Ellis (著), Monty Sloan (写真)



<目次>(英語訳と日本語訳)
RELATED SOULS/繋がっている(同族の、親族の)魂(文:作家Shaun Ellis)
IN FRONT OF THE CAMERA/カメラの前で(文:写真家Monty Sloan)
THE SPIRIT OF THE WOLF/狼のスピリッツ
THE MYTH OF WOLF/狼の神話
THE PACK/群れ
ON THE HUNT/獲物を求めて
REPRODUCTION/繁殖
PROTECTIVE MEASURES/保護政策
REGISTER/インデックス

表紙カバーは付いていない。表紙の写真は、頭だけ低くしているので、「遊ぼうよ!」と誘っている姿(プレイバウ)なんだろうか。以前に飼っていた犬たちも似たような姿勢で遊ぼうと催促してきた。(でも、前足も開いていないし、頭の位置が低すぎるような気がする)
本文にも掲載されているこの写真のキャプションを翻訳すると「重要なコミュニケーションのサイン:姿勢は、近距離でのコミュニケーションの最も重要な手段の1つです。それに加えて、 顔の表情、耳と尻尾の位置、首の毛を真っすぐ伸ばすこと、特定の声音もあります。」

265頁に大小とりまぜて200枚以上の写真を掲載。文章は全てドイツ語(元々の英文をドイツ語訳)。大学時代に第二外国語でドイツ語を選択したとはいえ数十年前の事で、構文や文法は大体覚えていてもボキャブラがないので、序文・本文・キャプション全てDeepL翻訳で日本語に訳した。ドイツ語入力にかなり時間はかかったけど、その甲斐あって文意は大体わかる(精度80%~90%くらい)ので、結果的に日本語版を買ったのとほぼ同じ。ハードカバーなのに1700円台と安いわりに写真はたくさん載っているし、キャプション含めて文章量も多いし、掘り出し物の写真集だった。

オオカミ(単独・複数)の表情・仕草・動作をズームにした体や(特に)顔だけの写真が多い。遠吠えするオオカミの写真だけで30枚くらいある(多すぎる)。獲物の骨や肉を咥えたり、食べている写真は10枚ほどあり、獲物(たぶんシカ)の長い片足を咥えている写真がとてもリアルで生々しく、面白いというか、不気味というか...。
狼の豊かな表情や動いている時の躍動感、人間関係ならぬ”狼”関係が伝わってくるような生き生きとした写真が多い。特に好きな写真は、雄と雌の2頭のオオカミが嬉しそうにお互いの口を舌でペロっと舐めている写真。「繁殖」の章だけでなく、見返しにも載っているくらいに、愛情溢れる優しいオオカミの表情が微笑ましい写真。

オオカミのズーム写真に比べると、大きな自然の風景を背景にして行動する姿が少なく、同じシーンの連写や遠吠えしている姿など似たような構図の写真も多い。そのなかでは、バイソンを群れで取り囲んで仕留めようとしている写真(異なるアングルで数枚)に狩りをするオオカミの躍動感が良く出ている。

本文の解説文を書いているショーン・エリスは、実際に狼たちと一緒に2年間も暮らしたノンフィクション『狼の群れと暮らした男』の著者として有名。
狼の群れと暮らした男狼の群れと暮らした男
(2012/8/24)
ショーン エリス (著), ペニー ジューノ (著), 小牟田 康彦 (翻訳)

ウルフマンはなぜそこまでするのか? 『狼の群れと暮らした男』 土屋 敦

写真家Monty Sloanの序文によれば、 この写真集は彼が働いている”Wolf Park”(米国インディアナ州)で撮影。面積70エーカー(約28ha、東京ディズニーランドの6割くらいの面積)の”Wolf Park”には捕獲された狼の群れが飼育されており、野生では捉えることが困難な行動を撮影が可能だったとのこと。
序文を訳すまでは、てっきり野生のオオカミの写真だとばかり思っていたけど、野生のオオカミの写真(特に森林オオカミ)を撮るのは難しいらしい。(米国ではオオカミを駆除するのを政府が奨励したため絶滅寸前まで頭数が激減し、その後一時的にわずかばかり頭数が回復したとはいえ、駆除される危険性は高いので人間を警戒している)。
↓の動画のように、野生のオオカミと違って人に慣れているオオカミなので、かなり近い距離から撮影できたから、狼の表情の豊かさや動きの躍動感を上手く捉らえている。

How to Photograph Wolves at Wolf Park


写真家に群がって入れ代わり立ち代わり彼の顔をベロベロ舐めているオオカミたちの様子は何度見ても面白い。
この”Wolf Park”のオオカミたち、ちょっと太り気味じゃないだろうか? 映像でみたイエローストーン国立公園や北極で暮らしている野生のオオカミたちはお腹も足も引き締まっていた。保護施設にいると、野生のオオカミのように獲物を追って長時間走り続けることもないだろうから、人間が与えるエサの食べ過ぎ(別の動画ではアイスクリームやケーキを食べさせていた)と運動不足じゃないかと思う。

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